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AR



この間、英語のクラスで、ARについて話した人がいた。建物が残っていない城跡などに行ってスマホをかざすと、当時の建物がスマホに投影されるという技術ですね。
VR(ヴァーチャル・リアリティ)とはまた少し違うようです。
その人は、ARは Augmented Reality(拡張現実)の略語でAugmentedが「拡張した」という意味だと説明してくれた。
これで思い出すのが、ギターのコードの押さえ方。オギュメント・コードというのがある。Cのオギュメント・コードならCaugと書く。
augmentは「増やす」という意味。Cはド、ミ、ソの和音だが、Caugはド、ミ、ソ♯と3番目の音を半音上げる。確かこれを、増3和音などとも言ったかと思う。
逆に、ソの音を半音下げるド、ミ、ソ♭という和音もある。これはディミニッシュ・コード。Cdimなどと書く。diminishは「減らす」という意味。減3和音というんじゃないかな。
というわけで、ギター小僧だったぼくにとっては、augmentは昔から知っている単語だった。
ARという最新の言葉に使われて、今頃亡霊のように、augmentという言葉がよみがえってきた。

で、久しぶりに、ギターのコードブックを取り出してきて、オギュメント・コードを押さえてみた。
何十年も弾いていないから、指が動かないこと!

2019/06/06 16:19 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

マープルの思考回路



ハーパーコリンズ版のペーパーバックの表紙が気に入ったので、クリスティの短篇集13 Problemsを買った。ハヤカワ文庫では『火曜クラブ』というタイトルで出ている。
この短編集、古くは新潮文庫から翻訳が出ていた。いや、いまでも出ているかもしれないが、書店ではとんと見かけたことがない。最初はパラフィン紙で覆われていただけだったが、のちにカラーのカバーが付いた。
おそらく、ぼくは最初の翻訳で読んでいる。何十年も前の話だ。家のどこかにあるはずだが、本の山に埋もれていて見つからない。

これはミス・マープルもの。火曜の夜に6人の人々が集まり、一人ひとり順番に自分が経験したミステリーを話していくという趣向。マープルの甥で作家のレイモンド・ウェストや弁護士、牧師、元スコットランドヤードの長官などがそれぞれ話を披露し、他の人たちが謎を解いていく。と言っても、謎を解くのはもっぱらミス・マープルなのだが。

なかに「聖ペテロの親指の跡」という短編がある。この話の語り手はミス・マープル。マープルがたまたま魚屋でhaddock(鱈)を見て、謎を解く突破口を見つけるというもの。
ハドックの体には黒い斑点があり、それは聖ペテロの親指の跡だと言われている。
ペテロが捕まえた魚(ハドック)の口から、イエスの予言通り銀貨が出てきたというエピソードから、ハドックの体の斑点を聖ペテロの親指の跡という。

しかし、マープルがなぜ聖ペテロの魚を見て、謎解きの突破口を見つけたのか、いまひとつわからないのである。英語の読解力がないせいかと思って、翻訳も読んでみたがいまひとつはっきりしない。
被害者が死の間際に言った言葉が専門用語だったため、それを1度も聞いたことがない召使が全く別の言葉に聞き間違える。マープルは、その聞き間違えた言葉から、逆に被害者が言った専門用語を突き止めて事件を解決する。
聞いたことのない言葉は、自分が知っている言葉に引き付けて聞こえることがある、ということに、ハドックを見て気が付いたと、マープルは言いたいのだろうと思うのだが……。

ペテロの魚(fish)とペテロの信仰(faith)、fishとfaithの音が似ているところから、知らない言葉は、自分が知っている、似ている音の言葉として聞いてしまうということを思いついたのか。

ネタバレにならないように書いたら、話がややこしくなってしまった。
気になる方は『火曜クラブ』を読んでいただきたい。

2019/05/15 17:58 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

令の例



桜の時期だから、いっそ「桜花」とでもしたらどうか、なんて冗談を言っていたら、梅の花にゆかりの年号になりましたね。
皆さんいろいろ予想していたようだけれど、ぼくの冗談の予想の方が少しかすったみたいです。

それにしても万葉集の歌の序文で、しかも2つの漢字がこんなに離れていては誰も当てることはできなかった。ていうか、当たらないようにするにはこうするしかなかったのかもしれないけれど。
専門家と素人の違いを見せつけられた気がします。

万葉集巻第五には、山上憶良の「しろがねも くがねも玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも」とか、「瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲ばゆ……」とか、教科書で習う歌も入っていますが、旅人の方を取りましたか。

で、テレビに専門家と称する男性が出ていて(歴史か何かの先生?)、「令」という字が付く名前は知らないとかなんとか言っていましたが、この人ほんとに文科系の学科の先生か。

令の字が付く名前と言えば、女優の団令子がいる。西洋古典学の藤沢令夫もいる。藤沢はプラトンの翻訳で有名。翻訳が岩波文庫にも入っている。
文科系の学者で、団玲子も藤沢令夫も知らないのはダメじゃない?

2019/04/05 17:35 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

“コーヒ”を発見



『遠藤周作全日記【上巻】』を読んでいたら、「コーヒ」を見つけた。
【上巻】は、遠藤がフランスに留学したときの日記を収めている。
195ページ。1951年2月10日(日)の日記で、遠藤は労働者の家の晩餐に招待された時のメニューを書き記している。肉料理やデザートなどの最後に、「コーヒ」と書いてあった。
keityさんの指摘通り、昔は「コーヒ」と言っていたのですね。

そう言えば「1杯のコーヒーから」という歌がありましたね。
これは昭和14年の作。
タイトルは「1杯のコーヒーから」となっているが、♪1杯のコーヒから、と歌っている。
城ノ内早苗など現代の歌手がカバーするときも、「コーヒ」と歌っている。

この歌、昔から知っていたのだが、『荒地』の翻訳と結びつかなかった。

2019/02/11 16:55 | エッセイCOMMENT(2)  TOP

荒地 誤植? 2



エリオット全集(昭和35年)で確認した。
「コーヒ飲んで」と書いてある。
「コーヒー飲んで」ならまだしも、「コーヒ飲んで」はないと思う。
昨日も書いたように、原文はAnd drank coffeeとごく普通の英文だから、あえて間違って訳す意味がないのではないか。
文庫本の方は見ていないので分からないが、全集の解説にはこれについて何も触れていない。もし意図的にこうしたのなら、何らかの注が必要だろう。

翻訳者の深瀬さんが亡くなっているので、意図的なのか間違いなのか分からないということなのかな。

すっきりしない。

2019/01/27 17:31 | エッセイCOMMENT(3)  TOP

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