observeについて



おととい(2013年1月19日土曜日)のセンター試験の英語の問題にざっと目を通した。正解を選ぶのはさほど難しくないが、第3問のCの問題の内容がいまひとつ納得できない。で、ネットで検索してみた。速報と問題の分析がほとんどで、さすがにまだ詳しい解説は出ていない。その中で、ある塾がブログで問題の解説をしているのを見つけた。といっても、新聞等に発表された正解を示して、短いコメントを付け加えているだけだが。しかし、この解説あるいはコメントには、少し問題があるようだ。

問題数が多いので、問題ごとに解説者が違っている。第2問担当の解説者は問題文をきちんと訳しているし、解説の日本語もきちんとしているように思う。だが、第3問の解説者は、訳文がsloppyだ。また、内容は良くわかっているのだろうが、解説の仕方が不正確だと感じる。

たとえば、第3問Aの問2、通し番号でいうと28。

解説者は、「Mr. Bell ってすげーやつじゃね?」と書いている。epitomeというのは「典型」という意味だ。ここは「ベル先生は高校の体育の教師の見本みたいな人だ」と言っている。「すげーやつ」とは少し違う。また、「A問題は絶対に『抽象から具体』の法則が働いている。具体例→抽象情報が前者で、後者は具体的な話から抽象的な情報に転化している。」というコメントも、わかりにくい。

あるいはBの問2、通し番号で30
解説者は、「Anneの意見をまとめると、『砂漠っぽい感じに庭をまとめてみて、誰か雇ってみたけど、このスタイルが一番いいね』である。」と書いているが、ここの英文は次のようになっている。

Well, last year my husband and I decided to change our lawn into a desert-style garden, so we hired an expert to make one for us. It looks great, but more importantly, doesn’t need much care.

「誰か雇ってみて」ではなく、専門家を雇って、ロックガーデンを作ってもらった、ということだろう。そして、ロックガーデンは見た目もよく、さらに良いことには、(樹木や芝生のある庭のように人を雇って)手入れをする必要がない、ということだ。だからここでは、「経済的だからロックガーデンが良い」と言っている1を選ぶことになる。

それから、問3Cの最後の問題、通し番号で34。

まず、最終段落の最初の文を引用する。

The controversy over time in Indiana was partly resolved in 2006, when the entire state started to observe DST.

これを解説者はこう訳す。

「すべての州がDSTをみ始めた2006年にはインディアナを巡る時間の問題は部分的に解決した。」

the entire stateは「すべての州」でなく、「インディアナ州全体」のこと。そのつもりなのかもしれないが、「すべて」と書くと、アメリカのすべての州のような印象を受ける。stateが単数形であること、定冠詞が付いていること(つまりその州とはインディアナ州を指すこと)を日本語訳に反映させるよう、注意しなければならない。DSTはdaylight saving timeの略。これは、本文の最初のほうで断っている。日本では一般に「サマータイム」と言っている。

そしてobserve。observe DSTとは、「サマータイム制を採用する」という意味。本文では他で何箇所もadoptという言葉を使っている(……whether DST is adoptedなど)。observeは、adoptの繰り返しを嫌った筆者の言い換えである。

observeには主に3つの意味がある。①観察する、②述べる、③(法律などを)守る、である。英文を読む場合、少なくともこの3つは頭に入れておく必要がある。上の例の場合、③の意味に当たるだろう。サマータイム制を守る、あるいはサマータイム制に従う、ということから、意訳すると「採用する」となる。①の意味は皆さんよくご存知だと思う。②の意味は、小説などでよく出てくる。He saidばかりでは芸がないから、He observed と書いて変化をつける。日本語訳では、「彼は~と言った」となることが多いようだが、観察してよく考えてから意見を述べるというようなニュアンスだ。

最後にもうひとつ。これが、ぼくが納得できないところだ。

時間帯をめぐる問題が2006年に「部分的に」解決したというのは、夏の間サマータイム制を導入したから、その間だけは時差の問題が解消した、というように読める。しかし、前のほうで、インディアナ州では、セントラル・タイム・ゾーンとイースタン・タイム・ゾーンが混在していると書いている。2つのタイム・ゾーンの時差は1時間。イースタン・タイム・ゾーンの時間だけを進めれば、2つのタイム・ゾーンの時差はなくなるが、インディアナ州全体でサマータイム制を導入すると、セントラル・タイム・ゾーンの地域も時間が1時間進むことになり、時差は解消しないのではないか、というのが、ぼくの解釈だ。

昨日から繰り返し問題文を読み返しているのだが、本文を読んだ限りではその辺の筋が上手く通らないように思われる。                         
しかし、ぼくがどこかで大きな勘違いをしているのかもしれないと思い、インターネット上で他の人の意見を探してみたというわけだ。

ぼくはけっこう思い込みが激しいから、何か気が付いていないことがあるのかもしれない。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。             


observeをもう少し詳しく説明しておこう。語釈・例文は英辞郎から。

自動詞では、①観察する、注意する
②意見を述べる、という意味がある。
他動詞では、①よく見る、観察する、見学する、監視する、観測する、②〔規則や法律を〕守る、順守する

・Please observe safety precautions fully. : 安全上の注意を必ずお守りください。
・To ensure a safe and pleasant journey for you and your fellow passengers, we ask for your cooperation in carefully observing some basic regulations and guidelines. As a first step, please look carefully through this cabin safety information. : 皆さまに安全で楽しい旅をしていただくため、基本的な注意事項をお守りくださいますようお願い致します。最初に機内の安全注意事項をよくお読みください。◆飛行機

③〔祝祭日を〕祝う
・What holidays are observed? : どんな休暇があるのですか。

④~に気付く
・Some errors may be observed. : 誤差が生じる場合がある。


名詞形observationも動詞に対応して、以下の意味がある。

①〔人や物に対する〕注目、監視

②〔自然現象の〕観察、観測
・The Meteorological Agency is sending an emergency earthquake observation team to Izu Peninsula. : 気象庁は伊豆半島に緊急地震観測隊を派遣する予定です。

③〔気付いたことの〕所見、見解

④〔自然現象や出来事の〕観察結果[記録]

⑤〔宗教行事や法律などの〕順守

⑥〔航海時の〕天測(結果)◆太陽などの天体から自らの位置を計測することまたはその結果の数値。

2013/01/21 22:58 | 語学COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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