ジョンソンの言葉



サミュエル・ジョンソンの言葉で有名なものは多いが、とりわけ有名なのは『英語辞典』のカラス麦(オートミールの原料)の定義だろう。
「イングランドでは一般に馬の餌とされているが、スコットランドでは人が食べる。」というものだ。聞いたことがある方もいるだろう。
ジョンソンの研究者の永嶋大典に言わせるとこれは偏見ではなく事実だという。ジョンソン以前の辞書でも、スコットランドのような北方では小麦が育たないから、オーツを食べると書いてあるそうだ。ジョンソンは、これらの定義を参考にして、語義を書いているにすぎないというのだ。

他に『英語辞典』の面白い定義に「年金」がある。
「それにふさわしい功績もない者に与えられる手当金。イングランドでは、一般に政府の雇われ者が国を裏切った報酬として与えられる給与と考えられている。」
当時の年金は、功績のあった人に国から与えられていた。今の日本の年金とは違う。

見ようによっては、ジョンソンは、スコットランドに対しても、イングランドに対しても、公平な態度で臨んでいる。

『英語辞典』に関するエピソードでぼくが気に入っているものを1つ。
あるパーティで1人のご婦人がジョンソンのもとへやってきて、抗議した。
「あなたの辞書にはずいぶんと下品な言葉が収録されているじゃありませんか」
これを聞いたジョンソンは、ニヤリとして答えた。
「奥さん、見ましたね」

2015/02/27 14:53 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

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