避暑地の本



山の上の湖のほとりに一泊した。
いつもは8月の終わり頃に行くので、避暑地と言われているわりには暑かったりして、いったいどこが避暑地なんだ! なんて毎年のように毒づいていたものだが、今年はまだ梅雨明け前だったので、文字通り涼しかった。
行きと帰りに電車を利用した。
文庫本を読んでいる人が目立った(と言っても2、3人だが)。
最近はスマホを見ている人が多いので、かえって、文庫本を読んでいる人が目立つ。
帰りの電車でぼくが水村美苗の『本格小説』の上巻を読んでいると、隣に座った30代くらいの女性がやはりカバーの付いた文庫本を読んでいた。
ドアの前ではサラリーマン風の40代くらいの男性が文庫本を読んでいる。
これは最近では極めて珍しいことだ。
しかし、いまだに移動中の車内で文庫本を読む人たちがいるということを知って、なんだかうれしくなった。
そういえば、うちの近所のバス停で、カバーを付けていない単行本を読みながらバスを待っている若い女性をときどき見かける。
年代を問わず、まだまだ、紙の本を読む人はいるんですね。
紙の本にはしぶとく生き残ってほしいと思っているぼくとしては、ちょっと明るい兆し。

『本格小説』は、ずいぶん前にハードカバーで1度読んだが、ストーリーはかなり忘れていた。読み進むにつれて、そういえばこんな話だったと、筋を思い出す程度に忘れているので、2度目も楽しく読み進んでいる。

2016/07/31 19:04 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

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