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パリに終わりはこない



スペインの作家、エンリーケ・ビラ=マタスの『パリに終わりはこない』を読んだ。
自伝的小説と銘打っているが、従来の小説とはかなり違う。
70年代にパリで暮らした時のことを書いている。

ヘミングウェイに影響されパリで暮らしたこと。マルグリット・デュラスのアパルトマンの屋根裏部屋に下宿したこと。様々な作家、映画監督、女優(例えばイザベル・アジャーニ)に会ったこと(彼らとは会っただけで交流を結んだわけではない)、そして、考えたことを、とりとめなく書いているように見える……が、きっと計算して書いているのだろう。でなければこんなに面白いはずがない。

ヘミングウェイ、デュラスはもちろんのこと、南米の有名無名の作家たち、グレアム・グリーン、ジョルジュ・ペレック、ネルヴァル、リルケ、カフカ、フローベール、ウォルター・ベンヤミン等多数の作家たちの著作から、自在に引用している。しかし、ペダンティックになっていないところが凄い。引用がきちんと作品の中に納まっているからだろう。ヨーロッパ文学好きにはたまらない。

タイトルは、ヘミングウェイの『移動祝祭日』の最後に入っているThere Is Never Any End to Parisからとっている。新潮文庫の高見浩の訳では「パリに終わりはない」となっている。訳者の木村栄一はタイトルが重なるのを避けたようだ。

2017/11/29 20:25 | 本の紹介COMMENT(2)  TOP

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