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ワシントン・ブラック



時は1830年代。
南米ベネズエラの沖にうかぶ島、バルバドス島のサトウキビ・プランテーションで生まれた奴隷のジョージ・ワシントン・ブラック(この安易な名前の付け方!)。
農場主の弟“ティッチ”が島にやってきたことから、島を出ることになる。
アメリカのノフォークに上陸。そこからまた船でカナダのハドソン湾に行き、エスキモーと共に暮らす。そしてノヴァスコシアへ。そこで知り合った海洋学とその娘と共にイギリスへ渡る。
ワシントン少年の逃避行でもあり、冒険物語でもある。恋愛も、アクションもある。
ストーリーは面白く展開していく。舞台も次々に変わる。
特に後半は、あれよあれよという間に読んでしまった。
ただ、ストーリーがあまりにも上手く出来すぎている嫌いがある。
予定調和的に過ぎる。

純文学系とはちょっと違う。日本で言ったら直木賞作家と言ったところか。
この作品、2018年度のマンブッカー賞候補のショートリストに残ったのだが、受賞は逃した。面白いけど、人間の心の深いところを描いていないのが、受賞を逃した理由の1つか。

作者は若いアフリカ系カナダ人女性。

少し前に、奴隷でヨーロッパに渡ってコメディアンになったショコラの本を紹介した。
ノンフィクションではあるけれど、こちらの方が、話が純文学的だ。

しかし、『ワシントン・ブラック』は面白い話ではある。
そのうち日本語訳が出るだろう。
いや、その前に映画化されるかな。

2019/04/30 16:38 | 本の紹介COMMENT(0)  TOP

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