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学問の面白さ



渡部昇一という人を知っているだろうか。
テレビで見たことのある方もいるかもしれない。
テレビの討論番組などで保守的な意見を言っていた。
保守系の評論家という印象を持っている人も多いと思うが、実は渡部昇一は英語史、英語学、英文法などの権威だったのである。
テレビでこの手の話をすることはほとんどなかったので、渡部のすごさが伝わらなくて、ぼくとしては非常に残念に思っていた。

学生の頃に渡部の『秘術としての文法』という本に出会い、その後、渡部が書いた英語学関係の本をかなり読んだ。ドイツ留学記(確か上下2冊で講談社現代新書からでていた)まで読んだ。

渡部という人は本当によく学問をしている。そして物事の本質を捉える力がある。

この本にはおもに講演が収められている。西洋と日本の文化の比較、ダーウィンの進化論とウォレスの進化論、チェスタトンについてなど、平明な語り口で、短くまとまっているが、本質をついている。そして、話の背後には膨大な学識が窺える。
 しかも、話が面白い。
 特に「英語教育における英語史の効用」という講演で、「規則を覚える文法、英文を解剖的に読んでいく文法を軽視することは、志のある学生に対する犯罪である。教師はそう腹をくくって教えるべきだ」という言葉には感銘を受けた。
 なぜ受験参考書的(プレスクリプティヴ)な文法が必要かは、ぼくが要約するよりも渡辺自身の講演で読んでいただいた方がよくわかるだろう。

2019/08/12 17:25 | 本の紹介COMMENT(0)  TOP

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