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普段! 普断?




長谷川如是閑のロンドン紀行に『倫敦!倫敦?』(岩波文庫)というのがある。
内容はほとんど覚えてないが、とっても面白かったという記憶はある。
タイトルはこれから借りた。

丸谷才一の全集第1巻のメインになっている『女ざかり』を読んでみた。
吉永小百合主演で映画化されたから、ご記憶の方もいらっしゃるかもしれない。
丸谷のものは、出ると同時に読んでいるので、再読である。
久しぶりで読んだ。内容をほとんど忘れていたので、面白く読めた。
次々に面白い趣向を凝らしている。
ストーリーも上手くできている。次がどうなるか気になって、どんどん読まされてしまう。
興味のある方はお読みください。

で、いきなり本題に入る。
『女ざかり』を読んでいて、「普段」という漢字が気になって仕方がなかった。
ぼくが気づいただけで、11箇所「普段」という言葉が使われている。
『鈍感な青年』のように「普断」ではなく、ふつうの「普段」。
小説を読むとき「普段」が何回使ってあるかなんて数えたことはないから確かなことは言えないが、これはけっこう多いのではないかという気がする。
『女ざかり』の次に収められている『おしゃべりな幽霊』には、「普段」が1例も出てこない。これは短い作品だから『女ざかり』とは比較にならないと言えば、比較にならないが。
丸谷ほど用字用語や文体にこだわる書き手が、無造作にこれだけたくさんの「普段」を、『女ざかり』で使うとは思えない。きっと何か意図があるのだろう。
それにしても、「普断」は、『鈍感な青年』に1例だけというのは、気になる。
やはり誤植か。
これからしばらくは、丸谷の小説を読むたびに「普段」の数をかぞえてしまいそうだ。

2013/12/22 18:42 | 語感COMMENT(0)  TOP

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