モーパッサンと私小説



久しぶりに郊外型の書店に行った。売り場面積が広い。新刊コーナーに加えて、書評本コーナーなども充実している。洋書がないのが残念だが。
文庫本も一通り見る。岩波を始めとして、ちくま、角川、文春、集英社、新潮など、うちの近所の書店と比べて、並べてある点数が多い。
その中から、新潮文庫の『女の一生』(モーパッサン)とちくま文庫の『私小説from left to right』(水村美苗)を買う。
モーパッサンは活字が大きくなっていたためと、以前友人にもらったフランス語のペーパーバックを持っているため。
実はモーパッサンの短編集も2冊新潮文庫から出ているはずなのだが、最近書店から姿を消した。売れないからひっこめたのか、それとも活字が大きくなって戻ってくるのか。(戻ってくるといいなあ。)
そんなこともあって、『女の一生』も、買いそびれると書店から消えてしまうかもしれないので、少し迷ったが、買った。
水村美苗は、以前読んだことがある。少し前から、この本を読み返したいなと思っていたので、ちょうどいい機会だから買った。
文庫本の裏表紙には「本邦初、横書きbilingual小説の試み。」とある。日本語に英語の混じった文体で、横書きだ。日本語に英語が違和感なく上手く混ぜ込んである。バイリンガルの人はこんな風に感じているのだということが、よくわかる。

12歳で渡米し、20年経ったが、美苗はアメリカに溶け込めない。かと言って、日本にも違和感がある。
美苗が姉の奈苗と英語交じりの長電話で、ニューヨークに来てからの暮らしなどを話していくという設定で、物語は進む。
ぼくは発表当時に読んだ。文体が大変刺激的。異国で生きることがどういうことかよくわかる。水村美苗の小説の中で、ぼくはこの作品を一番に押す。英語がかなり混ぜてあるせいか、一般にはあまり読まれていないようだが。

2016/06/16 20:56 | エッセイCOMMENT(2)  TOP

コメント

Re: タイトルなし

2つの文化を生きる人の孤独っていうんですか。そんなものが『私小説』からは感じられます。ある程度外国語を勉強した方なら、きっと共感できると思います。

No:12 2016/06/18 20:46 | desultory #- URL [ 編集 ]

文化の違いってほんとに怖いなとおもうきょうこの頃,水村美苗さんの小説読んでみたくなりました。最近のアメリカの銃撃事件も背景にはそんなもつれみたいなものがあるんでしょうね。

No:11 2016/06/18 18:13 | keity #- URL [ 編集 ]

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