ヨーロッパが近かった頃



特にファンでもなかった。レコードを持っていたわけでもない。しかし、出だしの1行くらいなら歌える。
♪古いこの酒場で~
とか、
♪二人の恋は終わったのねえ~
とか、
♪雪が降る あなたは来ない
とか。
特に『雪が降る』は、今でも部分的にかなり歌詞を覚えている。
そして、フランス語の歌い出し♪Tombe la neige~も、なぜか歌える。もっとも、当時はフランス語など知らなかったから、「トンブラネージョン」と歌っていたが。 
Tombe la neige は、フランス語で一般的に「雪が降る」という時と、少し違う言い方だ、ということも、なぜか当時から知っていた。
フランス語を習った今なら、Tombe la neige.は、La neige tombe.の倒置形で、英語で言ったら、The snow falls.という意味だけれど、通常のフランス語ではIl neige.(It snows.)ということを、「少し違う」と言っているのかな、と見当がつく。
アダモはベルギー出身だから、フランス人のフランス語とは少し違った言い回しを使っているのかもしれない。

久しぶりにアダモが聴きたくなって、図書館でCDを借りた。
フランス語のオリジナル盤を聴いていたら、日本語版がけっこう口をついて出てくるのに自分でも驚いた。というわけで、冒頭の文章が出てきた。
日本語版もアダモが歌っていた。

当時は今と違ってヨーロッパの歌手がたくさん紹介されていた。日本の歌も、歌謡曲という呼び方でひとくくりにしていたが、洋楽と邦楽の垣根もあまりなかったように思う。シャンソンやフレンチポップスやカンツォーネなど、オリジナルでも、日本語版(たいてい本人が歌っていた)でもヒット曲がたくさんあった。
ジリオラ・チンクェッティの『雨』とか、アダモの『雪が降る』『ろくでなし』『サン・トワ・マミー』『ブルージーンと革ジャンパー』とか、『夢見るシャンソン人形』とか、『オー・シャンゼリゼ』とか、ミッシェル・ポルナレフの『愛の休日』とか、『ラ・ノビア』とか、アラン・ドロンとダリダの『あまい囁き』とか、思いつくままに挙げて行ったら、切りがない。(おそらく、ぼくと同じくらいの世代の方なら、皆さん、日本語でなら、たいてい出だしの1行くらいは歌えるんじゃないかな。それくらい当時はラジオやテレビでかかっていましたよね。)
そういえば、当時はイタリアのサンレモ音楽祭なんていうのも紹介されていて、そこで受賞した曲は日本でもリリースされていた。確か、ジリオラ・チンクェッティの『雨』はそうだったんじゃないかな。

音楽でも、映画でも、当時は今よりずっとヨーロッパが近かった。

2016/06/22 22:47 | 音楽COMMENT(2)  TOP

コメント

フラット化する世界

もちろん、アメリカやイギリスのロックやジャズもありましたね。しかし、ヨーロッパもあったし、ラテンもあった。バラエティに富んでいました。いつからか、だんだんとアメリカ一辺倒になってゆき、今では、世界のポピュラー音楽もアメリカ音楽にフラット化しつつあるようですね。

No:14 2016/06/23 22:01 | desultory #- URL [ 編集 ]

私、みんな知ってるし、CDももってま〜す。音楽も映画もグラミー賞やハリウッドよりヨーロッパだった頃がありました...なんてもうあまり知っている人はいないかも^^今もいい曲探せばあるから、あのころだけがいいとも思わないけれどもね。

No:13 2016/06/23 20:24 | keity #- URL編集 ]

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