ブーベの恋人



何年か前に図書館で、『ブーベの恋人』という本を見つけた。
これがあの、『ブーベの恋人』なのかどうか。だとしたら、通俗小説だろうと思い、手に取らなかった。
昔、イタリア映画で、『ブーベの恋人』というのがあった。テーマのメロディに日本語の歌詞をつけて、♪女のいのちは~、と歌っていた記憶がある。しかし、ぼくが歌詞を覚えているのはそこまでで、あとはおぼろげにメロディを覚えている程度だ。が、演歌みたいな内容だったことは覚えている。だから、もしこの本があの映画の原作だとしたら、演歌みたい内容なのだろうと思ったから、手が出なかった。映画そのものは見ていないにもかかわらず、日本語の歌のイメージが強すぎた。

「ヨーロッパが近かった頃」を書いたとき、ヨーロッパ映画のサントラ盤とか、主題歌とかも、当時はヒットしたということを思い出した。で、『ブーベの恋人』の本のことを思い出し、図書館で借りてみた。
解説によると、作者のカルロ・カッシーラは、「50年代から70年代には、モラヴィア、カルヴィーノらに伍して文学界に一時代を画した」という。
イタリアでは、アルベルト・モラヴィアやイタロ・カルヴィーノと同じくらい有名な作家だったんですね。
カッシーラは、反ファシスト抵抗運動に身を投じた経験を持つ反骨の人のようだが、「ありふれた市井の人々を主人公とし、抒情豊かに人と生活を綴る語り部」(訳者解説)だということだ。訳者によると、イタリアでは、いまでも読み継がれていて、高校時代に授業で読んだというイタリア人も珍しくないという。

「ブーベの恋人」、誰が歌っていたのか調べてみたら、いしだあゆみ、だった。
この、アンニュイな歌い方、いいなあ。

2016/06/24 21:26 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

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