彼女の言葉のやさしい響き



♪Something in the way she moves~ときたら、ビートルズのSomethingの歌い出しだと思うかもしれないが、これ、ジェームス・テイラーの『彼女の言葉のやさしい響き』(1968)という曲の歌い出しでもあり、タイトルでもあるのだ。
日本ではビートルズの『サムシング』(1969)があるので、原題を避け、日本語タイトルで行っているのだろう。

ジェームス・テイラーのファンの間ではつとに知られていることだが、Something in the way she movesはテイラーのアップル・レコードでのデビューアルバムに入っている。
『サムシング』を作ったジョージ・ハリソンはこの歌が大好きだったという。それで歌の出だしを拝借したというわけだ。
当時、駆け出しのシンガーソングライターだったジェームス・テイラーには何も言えなかったのだろうか。

英語版のウィキペディアで、Somethingを見ると、出だしのフレーズは、ジェームス・テイラーの歌からとられた(was taken)と書いてある。
ジェームス・テイラーのSomething in the way she movesを英語版のウィキペディアで見ると、ジョージのSomethingにインスピレーションを与えた曲と書いてある。
ジェームス・テイラーによると、『彼女の言葉のやさしい響き』は、アップル・レコードのオーディションの時、ポールの前で歌った曲だという。

英語版のウィキでジェームス・テイラーのコメントを引用している。「ジョージが出だしの1行を使うとは、これっぽっちも思わなかった。彼は意図的に他人の曲をパクるような人間じゃない。そもそもすべての音楽は他の音楽からの借り物なのだ。だから僕は、まあいいんじゃないかと思っている」
そして、テイラーは、『彼女の言葉のやさしい響き』の最後にI feel fineと歌っていてこれはビートルズからの引用だから、お互い様だなんて言っている。
大人の対応だね。もっとも、『サムシング』があまりにも名曲になってしまったので、いまさら何を言っても仕方がないのは確かだ。
アップル・レコードのデビュー盤に収めた曲の最後でI feel fineと歌うのは、ビートルズへのオマージュとなると思うが、無名のシンガーソングライターが書いたすばらしい歌い出しを本人に無断で使うのはいかがなものか。
それで思い出したが、ぼくが最初にシングル盤でSomethingを聴いたとき、大して英語が分からない中学生ながら、出だしのフレーズがとても印象的だった。今から考えると、Something in the way she movesは、それまでにだれも考えたことのない独創的なフレーズだったからだ。

You Tubeでジェームス・テイラーをたまたま聴いて、ちょっと懐かしかったので、図書館でベスト盤を借りてみたら、1曲目に『彼女の言葉のやさしい響き』が入っていた。
それでいろいろと思い出した。

2016/08/14 22:53 | 音楽COMMENT(0)  TOP

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