ボージャングルを待ちながら



『ふらんす』8月号でフランスのベストセラー・リストを見ていたら、En Attendant Bojangles(ボージャングルを待ちながら)という本が1位になっていた。Bojanglesという言葉が気になったので調べてみたら、やはりあのボージャングルだった。
かなりエキセントリックな夫婦の話を息子が語るという設定らしい。そしてこの夫婦がニーナ・シモンの歌う『ミスター・ボージャングル』のレコードに合わせてワルツを踊るというシーンが何度も出てくるらしい。
らしい、ばかりで恐縮だが、今のところフランス語の原文しかなく、ぼくのフランス語力ではざっと読むわけにはいかないので、ウィキなどの情報から推測するしかないのだ。
面白そうな話ではある。
Amazonフランスでも、80人ほどの読者が5つ星を付けている。しかし、1つ星という人も少数だがいて、文章がよくないとか、ニーナ・シモンの歌に寄りかかりすぎ(あるいは助けられている)といった意見もある。
この、『ミスター・ボージャングル』に助けられているという意見、本を読んでいないぼくにも分かるような気がする。
Mr. Bojanglesは、アメリカ最高のタップダンサー、ビル・ロビンソンのことを歌った歌。カントリー調の物悲しいメロディと、しみじみとした、物語性のある歌詞が胸を突く。聴いていただくと分かるが、とにかくいい歌なのだ。イントロが流れただけで切なくなる。
ぼくが学生の頃、Mr. Bojanglesはニッティ・グリッティ・ダート・バンドの演奏でヒットした。その前に、サミー・デーヴィス・ジュニアやニーナ・シモンの歌で知られていたようだ。
実はぼくは、ニルソンの3枚目のアルバム『ハリー・ニルソンの肖像』で初めてMr. Bojanglesを聴いた。いい演奏だが、ニルソンの歌い方は少々甘口だ。やはり、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドのカントリー調の渋い歌い方がいいように思う。
最後にsがついているので、「ボージャングルズ」と言いたくなるが、英語圏でもなぜか、「ボージャングル」と歌っている。
『ボージャングルを待ちながら』の作者、オリヴィエ・ブルドは35歳で、これがデビュー作だそうだ。若いのによくこの歌を知っていたね。
なお、このタイトルはベケットの『ゴドーを待ちながら』のフランス語タイトル、En Attendant Godotをもじっている。

2016/09/12 22:15 | 音楽COMMENT(0)  TOP

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