~への道



Bill BrysonのThe Road to Little Dribblingを途中まで読み進めたら、little dribblingの意味の見当がついた。
年を取ると、いろいろ不都合なことがあると書いているところで、尿がdribbleすることもその1つに挙げていた。とすると、このタイトルは、『尿漏れへの道』とでもなるのか。
そういえば、Road to Perditionという映画があった。road to perditionは「滅びへの道」「一難去ってまた一難」という意味の成句だ。ブライソンのタイトルは、これをもじっていることは間違いない。
聖書の文句から来ているのかと思って調べてみたら、ウィキペディアの「ロード・トゥ・パーディション」(映画)の項に、「題名(地獄への道)は原作者が執筆の際に影響を受けた『子連れ狼』のキャッチコピー「冥府魔道を行く父子」からきている」とある。
うーん、これはどうも怪しいなー。

さらに調べると、地獄への道は善意で舗装されている。The Road to Hell is paved with good intentions.という言い回しがあることが分かった。これはジョンソン博士の言葉だという。しかし、もっと前から似たような言い回しはあったようだ。

ぼくのお気に入りの旅行記作家ビル・ブライソンが再び、イギリスを旅行して本を書いた。
それが本書『尿漏れへの道』だ。
ブライソンはユーモアの質がイギリス的なので、初めて読んだときイギリス人だと思った。いや、今でも、ついうっかりブライソンはイギリス人だと、紹介しそうになることがある。ブライソンはアメリカ人だが、イギリスで長く仕事をしてきた。奥さんはイギリス人だ。

旅行記の内容は、タイトルからうかがえるように、ユーモラスな面もある。しかし、訪れた町を過不足なく紹介してくれる。かなりよく下調べをして書いていることが窺える。
たとえば、第5章MOPIA。ブライソンは、テムズ川の下流、ヒースロー空港の近くの町Wraysburyを歩く。レイズベリーには、ジェリコーという人が、モーピアという車のない町を構想した場所がある。レイズベリーは、ブライソンの奥さんの父親の出身地でもある。まだムーアが残っていて、自然に恵まれている。テムズ川の河口ということで、貯水池もある。イギリスらしい美しい風景が残っている。ブライソンの風景描写が上手い。

ブライソンの書き方の特徴として次のような点が挙げられる。
1、ユーモアがある。
2、自然描写が上手い。読んでいると行ってみたくなる。
3、訪れた場所の背景知識が豊富である。訪れたところの歴史や関係する人物などの知識を書物で補強している。つまり、書いていることの裏付けがしっかりしている。
4、地元の人々、旅行者などに声をかけ、様々な情報を引き出す。このやりとりが面白い。
5、できるだけ歩いて見て回る。

実はぼくはこの本の表紙の絵(セブンシスターズ・パーク)を見て迷わず買ったのだが、残念ながらぼくが買ったペーパーバックの表紙の版がここにアップできない。アマゾンで検索すると出てくるのだが。

2016/12/27 13:16 | 本の紹介COMMENT(2)  TOP

コメント

Re: タイトルなし

おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
いつもブログを読んでくださり、時々コメントまでいただいて、ありがとうございます。
お言葉恐縮です。
膨大に見えるようなふりをしているだけで、たいして本を読んでいないんですけどね。

No:32 2017/01/02 21:49 | desultory #- URL [ 編集 ]

明けましておめでとうございます。
いつも、膨大な読書量と蘊蓄に感心しています。
本年もよろしくお願い致します。

No:31 2017/01/02 21:14 | Keity** #- URL [ 編集 ]

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