キューゲルの冒険



ジャック・ヴァンスはかなり昔のアメリカのSF作家。後世の作家たちにかなりの影響を与えているという。ヴァンスを読んで作家になった人たちも多い。『天界の眼』の訳者も、高校の頃にヴァンスに出会い、翻訳家になったという。
これはみんな訳者あとがきの受け売り。
ぼくはSFに詳しくないので、今回初めて見る名前だが、ま、とにかく、すごい作家らしい。こんなことを言っているとSFファンから顰蹙を買うかもしれないが。
とにかく面白かった。
キューゲルが旅する太古の世界が独特の言葉で描かれて行く。ストーリー展開は巧みで、独特のイマジネーションを駆使している。章ごとに、別の世界が開け、話はスピーディに展開する。
しかし、一点だけ古さを際立たせている点がある。
キューゲルは、各章で姫や村の娘など、ヒロイン役の女性と絡むが、次の章に進む前に、女性たちは置き去りにされたり、死んでしまったりする。そして次の章では、別の女性と出会う。キューゲルは正義の見方ではなく、嘘もつくし、卑怯なまねも平気でする。この本は悪漢が主人公のいわゆるピカレスク・ロマンというヤツらしいし、ストーリーも面白く非常によくできている話だと思う。
しかし、現代の眼から見ると、女性が捨て駒に使われているところが今一つ評価されていない原因なのかもしれない。
最近、ジャック・ヴァンス・トレジャリーというシリーズが3冊出ているが、これはその中の1冊。
別の1冊『宇宙探偵マグナス・リドルフ』は、2016年のSFランキングで6位に選ばれている。

2017/03/02 21:32 | 本の紹介COMMENT(0)  TOP

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