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草枕と方丈記



今年の前半は『徒然草』を、毎日数段ずつ読んだ。今度は、鴨長明の『方丈記』を読むことにした。『方丈記』は短い本で、内容がギュッと詰まっている。文体の密度が濃い。読み出すと、ぐいぐい引き込まれる名文である。この密度の濃さは、『奥の細道』の冒頭の文章を思い出させる。当然、芭蕉も『方丈記』を読んでいたでしょうね。
そして、もう一人思い出すのが、漱石。
『方丈記』の「三」のところを読んでいたら、これって、『草枕』の文体じゃないか、特に冒頭の文体に似ている、と思った。
そう言えば漱石は、確か全集に載っていたと思うが、若い頃に『方丈記』を英訳している。ということは、漱石も『方丈記』を当然読んでいたわけだ。
現代の小説家の誰かが言っていたと思うが、『方丈記』の文体は読者に乗り移りやすい。非常な名文で、読者の文体に影響を与えるのですね。
 
これは、井上ひさしが言っていたと思うが。漱石の文体も伝染性があるという。井上は小説を書くときには、漱石は読まないようにしていると言っていた。小説執筆中に漱石を読むと、文体が漱石に似てきてしまうというのだ。

2017/11/03 17:11 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

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