ハリー・ニルソンの肖像



1月3日の読売新聞の1面の下段の広告欄に『ハリー・ニルソンの肖像』という本の広告が載っていた。出版元は国書刊行会。国書刊行会は、海外のホラーや日本の古典の中から、マイナーでマニアックな本を出しているイメージだから、ちょっと驚いた。
2013年に出たニルソンの伝記の翻訳が、なんで今頃国書刊行会から出るのか不思議だ。
今の日本では、ニルソンもマイナーでマニアックということか。

まだ中身は見ていないが表紙の絵が面白いので取り上げてみた。
中央に描かれているニルソンが左手に抱えている人形と右後方の黄色い風船と人差し指を立てている手のオブジェは、ファースト・アルバム『パンディモニアム・シャドウ・ショウ』のジャケットに描かれていたもの。ファースト・アルバムには、収録されている曲にちなんだ絵が描いてある。例えば、ニルソンが持っている人形は3曲目のCuddly Toy(抱きしめたくなるようなかわいいおもちゃ)という曲にちなむ。
ニルソンの右に小さく描かれているのは、スカートをはいたジョン・レノン。これはジョン・レノンをプロデュサーに迎えたアルバム『プシー・キャッツ』のジャケットから。ジョンの横にいる青い犬は、アルバム『オブリオの不思議な旅』に出てくるアローだ。
そしてジョンとアローの後ろに描かれている黄色い自動車は、アルバム『ランディ・ニューマンを歌う』のジャケットから。その後方の空を飛んでいる複葉機は、セカンド・アルバム『空中バレー』から。
指のオブジェに寄りかかっているのは、アルバム『おれたちは天使じゃない』をほのめかしているのだろう。こういう絵はジャケットに描いてなかったと思うが。
この本の表紙は、『パンディモニアム・シャドウ・ショウ』『空中バレー』『オブリオの不思議な旅』『プシー・キャッツ』と、ジャケットが絵で描かれているこれら4枚のアルバムの表紙から、引用しているようだ。(『おれたちは天使じゃない』のジャケットは写真)。
実はもう1枚ジャケットが絵で描かれているアルバムがある。『パンディモニアム・シャドウ・ショウ』と『空中バレー』の2枚のアルバムの曲を、少しアレンジを替えてまとめて収めている『ニルソンの詩と青春』だ。このアルバムジャケットには古い建物が描かれているのだが、この本の表紙の家とは違うようだ。
 この本の目次をみると、各章のタイトルをニルソンの歌のタイトルからとっていることが分かる。これもなかなか洒落ている。
詳しいディスコグラフィーも付いている。
ニルソン・ファンにはcuddlyな本だ。

2018/01/03 21:47 | エッセイCOMMENT(2)  TOP

コメント

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
you can’t do thatにはビートルズ・ナンバーがちりばめられていて、面白いですよね。
初期のころはナイーヴな感じですが、『シュミルソン』からロック路線に変更して、そのあとは、『サンドマン』とか、かなりエキセントリックになっていきます。ぼくはどの時期のニルソンも好きです。

No:59 2018/01/08 15:49 | desultory #- URL [ 編集 ]

お正月にブックオフセールでニルソンが10枚くらい出ており 大人買いしました 探すきっかけはラジオでの you can’t do thatビートルズ愛に溢れた曲に惹かれたからです またその本が昨年のベストだったグラビンスキの火の書を出した出版社だったとは 探してみます 情報ありがとうございます

No:58 2018/01/08 14:42 | #- URL [ 編集 ]

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