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メグレと深夜の十字路



メグレ警視シリーズ46『メグレと深夜の十字路』(河出書房新社版)を読む。何分古い本なので図書館でしか借りられない。お薦めしても、あなたの図書館にないと読めないと思うが、あまりにも面白いので、ここに紹介する。
 と言っても、ミステリーなのであらすじは書けない。
 冒頭で片眼鏡をかけたデンマーク人カール・アナセンという男がメグレから尋問を受けている。何時間尋問を受けても、この男の物腰が始終一貫しているという描写から始まる。カールの人物造形が見事だ。カールの妹エルゼの人物造形も上手い。その他の登場人物もよく描かれている。それにストーリーもよく出来ている。
 これはメグレ警視シリーズの初期の作品。メグレ物はそれぞれよく出来ていると思うが、これはシリーズのなかでも傑作だろう。
 日本語で読むと、シムノンは人情の機微を描くのが上手いと感じる。英語は少しそっけない。英訳すると、フランス的な機微がなくなってしまうように思う。
 英語版のレビューもおおむね★5つだが、期待外れというコメントもある。これが期待外れなら、どういうものが期待通りなのか教えてほしい。
クズ、と書いている人もいる。このレビューアーはネイティブらしいが、英語が読めているのだろうか。シムノンの文章から人情の機微が読み取れないのか。
英語ではしみじみとしたことが書けないように思う。だから、英文から「しみじみ」を感じられない人がいても不思議ではない?!
フランス人と日本人のメンタリティは、通ずるところがあるように思う。
これは、ぼくだけの感じ方かな。 

2018/03/13 21:38 | 本の紹介COMMENT(0)  TOP

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