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人生の1日を描く



Mothering Sunday。
使用人が1日だけ母親の元に帰れる日。
ジェーンは6月みたいな陽気の3月のマザリング・サンデーを回想する。
3月なのにぽかぽかと暖かい。
ふりそそぐ日の光の中で、バークシャーの自然は悲しいほど美しかった。

回想を駆使して物語は進行する。一字一句無駄のない文体。ストーリーの急展開。苦いユーモア。
生きることの哀しみ……みたいなものが行間から伝わってくる。
イギリスの作家は一筋縄ではいかない。実に味わい深い話になっている。
現代日本にこれだけのものが書ける作家がいるだろうか。もっとも、ぼくは日本の現代作家をあまり読まないのでよくは分からないのだが。いたら誰か教えていただきたい。

ストーリーは書かない。書くと、読んだときに面白くなくなるから。
ためしに読んでみてほしい。

イギリスの現代作家の書くものは、英語で読むとかなり手ごわい。とくに、ウィリアム・ゴールディングやジュリアン・バーンズ、そしてこのグレアム・スウィフトなどは。
回想から回想へと自由に時間を飛び越える、自在な場面転換、そこはかとないユーモアなどが読み取れないと作品が味わえないからだと、真野泰の翻訳を読んでいてよく分かった。
ぼくなどがイギリス現代文学を原文で読もうとするのは、身の程知らずなのである。

2018/08/16 15:16 | 本の紹介COMMENT(0)  TOP

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