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ガバリと寒い海



俳句が流行っている。
ぼくの友人も一人俳句をやっている。
テレビのランキング番組でも俳句のコーナーがある。
夏井いつきの毒舌が面白い。
芸能人でも、良い句を読む人がいる。
ところが、である。
西東三鬼の句を読むと、プロとアマの違いに愕然とさせられる。
『西東三鬼全句集』から初期の句を引く。

昭和10年
聖燭祭工人ヨセフ我が愛す
燭寒し屍にすがる聖母の図
咳(しわぶ)きて神父女人のごと優し

昭和11年
小脳をひやし小さき魚をみる
水枕ガバリと寒い海がある
不眠症魚は遠い海にいる

微熱ありきのふの猫と沖を見る

右の眼に大河左の眼に騎兵
汽車と女ゆきて月蝕始まりぬ

算術の少年しのび泣けり夏

友はけさ死せり野良犬草を嚙む


戦前によまれたものとは思えない。
モダンである。凄みもある。
575にとらわれない。
思いがあふれて言葉があふれる。

2018/10/02 22:12 | 本の紹介COMMENT(2)  TOP

コメント

Re: タイトルなし

名前通り、鬼気迫る句をよむ人なんですよね。
全句集シリーズが角川から出ていて、前から気になっていたのですが、今回読んでみました。
次は橋本多佳子かな。

No:67 2018/10/06 15:39 | desultory #- URL [ 編集 ]

自分のブログにも書きましたけど、「水枕ガバリと...」の句。
風邪をひいて寝ていた時のぼーっとした脳裏に浮かぶ幻想だったりすると、なにげにすごい句ですよね。他にも石田波郷とか藤田湘子 とか、かっこいい句人がいますよ。

No:66 2018/10/05 21:04 | Keity** #- URL [ 編集 ]

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