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ひどい男



『鉄幹 晶子全集』の「巴里より」を読んでいると、鉄幹はフランス語が話せたようだ。フランス語から翻訳した文章も載せているから、読むのも不自由しなかったらしい。
 鉄幹はどのようにしてフランス語を身に付けたのか気になったので、渡辺淳一の『君も雛罌粟(コクリコ) われも雛罌粟(コクリコ)』を読み出した。渡辺は『失楽園』みたいな小説ばかりでなく、本格的な伝記小説もいくつか書いているのだ。
鉄幹は子供の頃、僧侶だった父親から漢学をたたきこまれた。英語も習った。フランス語をどうやって身に付けたかは、いまのところ出てこない。まだ、上巻の初めの方しか読んでいないので、のちに出てくるかもしれないが。ただ、ほとんど学校には行っていないようなので、独学で身に付けた可能性が大きい。
それにしても、鉄幹という男はひどい奴だ。
ぼくはつねづね作品と人物は全く別物だと思っている。どんな奴が書こうと、作品が良ければそれでいいのだ、と思っているのだ。
しかし、ですね。
鉄幹という人物はいただけない。
金目当てに、金持ちの娘に結婚を申し込む。そして最初の妻との子供が死んで離婚したら、即別の金持の娘に結婚を申し込む。そして、妻の実家から金を出してもらい、『明星』の前身となる雑誌を刊行する。
『明星』に投稿してきた晶子にも目を付けて、晶子の歌を破格の待遇で『明星』に掲載する。晶子の実家が堺市の老舗羊羹屋だと知ってのことと思われる。
ヒモと呼ばれる人たちでさえ、これほどあからさまではないのではないか。

2019/06/17 22:49 | エッセイCOMMENT(0)  TOP

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